出演者




長崎トヨ

大正8年生まれ。苦しい島の生活と信仰と唄がひとつであった時代を知る最後の世代。幼い頃に両親、兄を病気で失い、中学生の姉に育てられる。自身も幼いながら畑仕事や家事など姉を手伝う。中学校一の優等生だったが進学はせず、働く姉を庇う。結婚後、畑仕事をしながら5人の子供を育てた。その温和な人柄とともに集落一の物知りとして周囲に尊敬される。
*長崎トヨさんは2017年9月に永眠されました。

高良マツ

大正6年生まれ。市議会議員の夫を持ち、のちに夫とタクシー会社を起こす。神行事では神女の補佐役「とぅむ」を担っていた。長崎トヨとは苦楽を友にした無二の親友。秘められた神歌の収録に応じるものがなく、困難にぶちあたっていた久保田麻琴に「歌っても神様は怒りはしない」と録音に応じる。ここから本映画に繋がる全てが始まった。
*高良マツさんは2013年9月に永眠されました。

村山キヨ

大正15年生まれ。暦を読みながら神行事の日程を取り決める「ヒューイトゥインマ」を務める。控え目な人柄ながら集落一番の唄の継承者で、祭などには欠かせない存在。高良マツ、長崎トヨとともにCD(「沖縄・宮古島の神歌」キングレコード)の収録をし、2008年発表。「西原キャンディーズ」と呼ばれることに。
*村山キヨさんは2017年9月に永眠されました。

盛島宏

大正15年生まれ。ここまで休むことなく畑仕事一つで家族を養ってきた。今も現役のサトウキビ農夫。若い頃、友人から借りた三線を見様見真似で弾いたことからもうひとつの人生が始まる。日々の仕事と唄はいつも隣り合わせにあった。集落の慶事や祭りには今も欠かせない存在。

友利サダ

大正8年生まれ。幼少の頃から働き続ける。今も明方からサトウキビ畑で働き、昼は宮古上布の麻糸を紡ぐ。6人の子を育てるとともに戦災孤児の面倒もみた。末の子を四十代で出産。集落一の人気者。長崎トヨの同級生。
*友利サダさんは2018年9月に永眠されました。

本村キミ

大正15年生まれ。神事で神司を務めた。今もサトウキビ畑の仕事をかかさない。文化継承の意識が高く、次世代のため、唄の保存活動に熱心に取り組む。盛島宏の唄のお囃子として無数の自宅録音も残す。友利サダの妹。

ハーニーズ佐良浜

神行事を担った5人の元神司たち。左から濱川美代、与儀千代美、上原敏美、長崎国枝、仲間八重子。現代にあって信仰を担うことの困難さを抱えながらも、神事をしっかりと次世代へ受け継いだ戦後世代の神女たち。現在、コンサートへの出演依頼など、彼女らの歌う神歌が各所から求められている。

浜川春子

昭和16年、芸能行事「八月踊り」で有名な多良間島に生まれる。6歳から12歳まで宮古島、13歳から沖縄本島に暮らす。昭和55年、多良間に帰郷。老婆達から労働歌「ユネーク」を学び、次世代に繋いだ功労者。普段は夫とともに畜産業を営む。

譜久島雄太

平成11年、宮古諸島伊良部島の民謡一家に生まれる。祖父は民謡家、譜久島方上(ほうじょう)。父は民謡家、弘一。伯父は民謡家、淳慈(じゅんじ)。天衣無縫かつ力強い唄いっぷりで宮古島の唄の未来を担う。現在高校生。

宮国ヒデ

大正8年生まれ。畑仕事、養蚕など男勝りに働き、5人の子供を育てあげる。畑でも家でもなにをする時もいつも唄とともにあった。宴席では、歌はもちろん踊りも上手な芸達者ぶりを発揮した。

狩俣ヒデ

昭和4年生まれ。狩俣地区の神事で神司を担う。平成に入り狩俣の神事は途絶えたが、集落の仲間と復活に向けて熱心に活動を続ける。本年(平成24)に入り継承者が一名現れ再生の兆しが見え始める。普段は息子とふたりでサトウキビ農家を営む。

嵩原清

大正9年生まれ。宮古諸島池間島に生まれ育つ。鰹漁が隆盛をきわめていた島で理髪店を営む。唄、三線、踊りの名手で、島の慶事には欠かせなかった存在。映画取材8ヶ月後の2010年6月他界。

スタッフ

大西功一(製作、監督、撮影、編集)

 1965年、大阪生まれ。大阪芸術大学在学中よりテレビ報道カメラマンのアシスタントにつく。1988年、学友らとともに、消え行く大阪の古い町を背景にギター流しを追ったドキュメンタリー作品「河内遊侠伝」が卒業制作学科賞。
 同年上京、映像プロダクションへ。1991年、退社後、フォークシンガー高田渡を象徴的役柄に配し、映画「吉祥寺夢影(きちじょうじむえい)」を製作。1995年、北海道函館を舞台に、前作についで出演に高田渡を配し、モノクロ映画「とどかずの町で」を発表。他にテレビ番組、ミュージックビデオ、DVD作品等、多ジャンルの映像作品を手掛ける。「スケッチ・オブ・ミャーク」は16年ぶりの映画となる。
 
 

久保田麻琴(原案、監修、出演、整音)

 伝説のロックバンド「裸のラリ-ズ」メンバ-として音楽家としてのキャリアをスタート。 73年・東芝よりソロアルバムを発表。「夕焼け楽団」とともに数々のアルバムを発表。アレンジャ-、プロデュ-サ-としても喜納昌吉の本土紹介に関わり、アルバム「ブラッドライン」では「花」のオリジナル・ヴァ-ジョンでライ・ク-ダ-とも共演。80年代はサンセッツとともに海外でも広く活動。ジャパン、インエクセス、ト-キング・ヘッズ、ユ-リズミックス、プリテンダ-ズなどと共演。90年より専業プロデュ-サ-としてザ・ブーム、ディック・リ-、MONDY・満ちる、島田歌穂など多くのトップ・アーティストのプロデュースをてがける。95年・宮本亜門演出によるミュージカル「マウイ」の音楽監督。99年・細野晴臣とのユニット、「ハリ-とマック」でロック・シンガ-・ソングライタ-としてカムバック。2000年・照屋林賢(りんけんバンド)と細野晴臣とのユニット「KARABISA(カラビサ)を発表。同年、ザ・バンドのレボン・ヘルムやガース・ハドソンなどと共演したソロ作品「ON THE BORDER」発表。
 2001年・マレーシアのMac & Jennyらと組み、ワ-ルド音楽とヒ-リングを融合させたBLUE ASIAプロジェクトを開始。HOTEL IBAH(CD&DVD)、HOTEL ISTANBULの2枚のアルバムを発表。以後、2009年のSKETCHES OF MYAHK まで多数のアルバムをリリース。他に著書「世界の音を訪ねる」(岩波新書 2006年4月出版)等。
 

配給:太秦株式会社
後援:沖縄県・宮古島市・宮古島市教育委員会・エフエム沖縄・沖縄タイムス社
沖縄テレビ放送・ 宮古新報 ・宮古テレビ・宮古毎日新聞社・ラジオ沖縄・琉球朝日放送
琉球新報社・琉球放送
特別協賛:特定非営利活動法人 美ぎ島宮古島・日本トランスオーシャン航空株式会社・有限会社宮古ビル管理(順不同)
宣伝協力:鎌田雄介・天久雅人・穐場慶吾・サラーム海上 
 
2011年/日本/カラー/HD/ステレオ/104分
© Koichi Onishi 2011